バイオミミクリーと山陽製紙 その1

「自然と生体に学ぶバイオミミクリー」
Janine m.Benyus

この本の日本語版は平成18年(2006年)に発行されました。著者は、ジャニン・ベニュスという生物学について書く作家です。

15年前にこの本に出会ったことが、弊社の経営理念やビジョンに少なからぬ影響を与えました。
一度には紹介できないので、時々、何回かに分けてこの本の内容をご紹介したいと思います。

バイオミミクリー?

「バイオミミクリー」というのは、辞書で引くと「生体模倣」と出てきます。ジャニン・ベニュスはこの本の中でこのように書いています。

バイオミミクリーを革新の道具として取り入れた人々は、さらに地球に精通した生き方と営みを追求しています。


われわれが真に必要とする技術は、われわれよりはるかに長い年月生存してきたさまざまな生物種によってすでに発明され、試され、改良されてきたと、彼らは直感しており、私もその思いを共有しています。


進化における先輩たちから学ぶ、それがバイオミミクリーの本質です。

身近にあるバイオミミクリーの事例

バイオミミクリーの事例はいくつもあります。
一番身近な例は、JR西日本の新幹線のデザインです。

新幹線の屋根は、音を立てずに餌をとるフクロウの羽の構造を、先端部分は、しぶきを上げずに高速で水中に突入できるカワセミのクチバシの構造を模倣して設計され、走行時やトンネル突入時の騒音の軽減に成功しています。

自然界の仕組みから学ぶバイオミミクリーとは?活用事例5 | IDEAS FOR GOOD

この他、巻貝の形を導入して、エネルギーの消費が半分に削減されるプロペラやファン、ハスの葉の表面突起からインスピレーションしたビルの正面外壁ファザード、クジラの前びれがモデルの航空機の翼など、興味深い事例がたくさんあります。

 

ジャニン・ベニュスはさらに、このバイオミミクリーを3つのレベルに分類しています。

第一のレベルは、たとえば巻貝をまねて新しいプロペラやファンをつくるという、自然の形態を手本にするもの。

第二のレベルは、バイオミミクリーがさらに深まり、低温の水中で有毒物質を用いないで巻貝がつくられる、といったような自然のプロセスを見習うもの。

第三のレベルは、バイオミミクリーの深奥で、全生態系(システム)をまねるもの。

「自然と生体に学ぶバイオミミクリー」には、各レベルの事例が多く載せられており、ジャニン・ベニュスのメッセージは、私たちの商品開発のバックボーンです。

 

~いつまでもこの地球のふるさとにとどまりたいなら、空気と水を浄化し、土壌をつくり、子孫をはぐくみ育てる土地を保護する方法を生物界の先輩たちから教わる必要があります。~

「自然と生体に学ぶバイオミミクリー」より

この記事を書いたひと

原田千秋
原田千秋山陽製紙株式会社 専務取締役
広島県呉市出身

広島大学教育学部卒業後、同じ大学のマンドリンクラブで同期だった原田六次郎氏(現:山陽製紙株式会社 代表取締役社長)と結婚。
中学校の教員を経て、1992年、経理等を担当するため山陽製紙の社員となる。
瀬戸内海の島育ちにも関わらず、水泳もできない運動音痴。
耳元に広がる波の音や、山が黄金色に染まるみかん畑などが心の原風景。
山陽製紙(株)の経営ビジョン「地球の財産を生かし、自然と共に生きる永続企業」もその様な原風景が背景にある。